金沢市で一戸建て・土地を探すなら最初に確認したい全情報(2025〜2026年版)

「金沢市で一戸建てを購入したいが、2,000万円台と3,000万円台の差はどこから生まれるのか」「土地から注文住宅を建てるなら、どのエリアにどれくらいの予算が必要か」——金沢市で不動産購入を検討するとき、こうした具体的な疑問に答える情報がなかなか見つかりません。

金沢市は人口約45万人を抱える北陸最大の都市であり、城下町の歴史的景観・豊かな文化資源・2024年3月開業の北陸新幹線敦賀延伸というインフラ強化が重なり、移住者・Uターン者の不動産需要が全国的にも注目を集めています。一方で「相場感がつかみにくい」「エリアによってどれだけ価格差があるかわからない」という声も多く聞かれます。

本記事では、**国土交通省 不動産情報ライブラリの実取引データ(2022〜2026年Q1)**をもとに、金沢市の宅地・一戸建て価格の全体像を解説します。あわせて、IRいしかわ鉄道・北陸鉄道バスの路線特性、エリア別の生活利便性、2025年以降の再開発動向(金沢駅東地域の都市再生整備地域指定・片町再開発等)まで、物件探しに必要な地域情報を網羅します。

この記事でわかること:

  • 金沢市の宅地(土地のみ・土地と建物)2022〜2026Q1の四半期別価格推移
  • 新築・中古一戸建ての総額イメージ(価格帯別のあてはめ方)
  • IRいしかわ鉄道・北陸鉄道石川線沿線の駅別特性
  • 金沢バスネットワーク(ふらっとバス・周遊バス・路線バス)の概要
  • 主要医療・商業・教育施設の具体名と立地
  • 2025〜2026年に進む再開発計画と不動産への影響
  • 隣接市(野々市市・白山市・津幡町等)との価格比較

全国・石川県の不動産市況概観

全国不動産価格指数のトレンド(2010年=100)

国土交通省の不動産価格指数によると、全国の住宅総合指数は2025年に144.7と、コロナ前水準(2019年:113.9)から大幅に上昇しています。特にマンション指数の伸びが顕著で、2025年は217.8と2010年比で2倍超になっています。

指標 2019年 2021年 2022年 2023年 2024年 2025年
住宅総合(全国) 113.9 120.7 130.9 134.8 138.6 144.7
マンション(全国) 147.6 165.2 182.1 191.4 202.5 217.8
住宅地変化率(全国) −0.1% −0.5% +0.1% +0.7% +0.9%

出典:国土交通省 不動産価格指数(月次)、住宅地標準価格変化率(年次)

全国的な価格上昇トレンドに対して、金沢市の一戸建て市場は東京・大阪圏のような急騰は見られないものの、緩やかな上昇基調が確認されています。2024年3月の北陸新幹線敦賀延伸後の交流人口増加や移住需要が市場の底支えに寄与しています(推定)。


金沢市の宅地取引価格統計(2022〜2026年Q1)

宅地(土地のみ)の四半期推移

国土交通省 不動産情報ライブラリによる金沢市の土地のみ取引価格の推移です。このデータは実際の不動産売買契約に基づく届出情報を集計したものです。

期間 中央値(万円/m²) P25(下位25%) P75(上位25%) サンプル数
2022年Q2 7.2 4.8 10.0 118
2022年Q3 8.2 5.7 11.0 98
2022年Q4 7.7 5.3 9.8 146
2023年Q1 7.9 4.7 10.0 83
2023年Q2 8.5 5.7 11.0 103
2023年Q3 7.7 5.4 9.8 111
2023年Q4 7.9 4.5 9.9 115
2024年Q1 8.2 6.4 9.4 85
2024年Q2 8.1 5.4 10.0 100
2024年Q3 7.9 5.1 11.0 98
2024年Q4 8.0 5.3 10.0 140
2025年Q1 7.6 5.7 9.4 118
2025年Q2 8.0 6.4 9.6 108
2025年Q3 8.2 5.7 10.0 122
2025年Q4 8.3 5.5 11.0 96
2026年Q1 8.5 7.0 10.0 55

出典:国土交通省 不動産情報ライブラリ API(XIT001)石川県金沢市 宅地(土地)取引価格情報

主要なポイント:

  • 2022〜2026Q1を通じて、中央値は7.2〜8.5万円/m²の範囲に収まっており比較的安定
  • P25(下位25%)が2024年以降で底上がり傾向が続いており、2026Q1は7.0万円/m²と2022年比+2万円/m²超
  • 2026Q1の中央値8.5万円/m²はデータ期間中の最高値で、全体的な水準の切り上がりが見られる
  • 2026Q1はサンプル数55件と少ない(Q1は取引が少ない時期)ため、データの安定性に留意が必要

宅地(土地と建物)の四半期推移

一戸建て住宅として最も参考になる「宅地(土地と建物)」の取引価格です。既存の建物付き土地の取引であり、中古戸建て・建売住宅の価格動向を反映します。

期間 中央値(万円/m²) P25(下位25%) P75(上位25%) サンプル数
2022年Q2 9.5 6.1 15.6 113
2022年Q3 8.9 5.1 16.8 102
2022年Q4 9.1 5.7 14.7 118
2023年Q1 11.4 6.1 22.4 107
2023年Q2 9.6 5.7 18.9 119
2023年Q3 11.3 5.4 20.0 114
2023年Q4 9.5 6.1 16.7 124
2024年Q1 10.0 6.0 20.0 125
2024年Q2 10.0 5.7 21.1 110
2024年Q3 10.4 5.6 20.0 122
2024年Q4 9.1 5.9 16.8 121
2025年Q1 9.7 5.6 22.2 122
2025年Q2 9.7 6.7 20.0 153
2025年Q3 9.5 5.7 17.1 125
2025年Q4 10.9 6.9 21.5 129
2026年Q1 10.9 6.6 20.0 77

出典:国土交通省 不動産情報ライブラリ API(XIT001)石川県金沢市 宅地(土地と建物)取引価格情報

主要なポイント:

  • 中央値の最近値(2025Q4・2026Q1)はともに10.9万円/m²と、2022〜2023年比で1〜2万円/m²程度上昇した水準で定着
  • P75(上位25%)は20万円/m²前後の高止まりが継続。駅近・新築・中心部物件の高価格化が続いている
  • P25(下位25%)は2025年Q2以降で6〜7万円/m²台へ底上げ。安価な物件の流通が絞られている傾向

取引価格の総額イメージ

単価データ(万円/m²)を総取引額(万円)に換算する目安:

価格帯(万円/m²) 土地面積150m²想定 土地面積200m²想定 位置づけ
6.6(P25付近) 約990万円 約1,320万円 郊外・築古の低価格帯
10.9(中央値) 約1,635万円 約2,180万円 一般的な中古・建売水準
20.0(P75付近) 約3,000万円 約4,000万円 中心部・築浅・高グレード

実際の新築一戸建て販売価格としては、SUUMOの2025年7月〜2026年6月集計によると、IRいしかわ鉄道沿線で3,315〜3,585万円、北陸鉄道石川線沿線で3,135〜3,337万円の価格帯が中心です。中古一戸建ての成約価格中央値は約1,965万円(建物面積中央値115m²・土地面積中央値150m²・築年数中央値35年)との集計もあります(出典:SUUMO 金沢市売却相場 2025年7月更新)。


隣接市・周辺町との価格比較(2026年Q1実績)

金沢市への通勤・通学を前提に、金沢市外を検討候補とする場合の参考データです。

市区町村 宅地(土地のみ)中央値 宅地(土地と建物)中央値 備考
金沢市 8.5万円/m²(n=55) 10.9万円/m²(n=77) 石川県内最高水準
野々市市 9.7万円/m²(n=5) —(サンプル少) n少・参考値
白山市 5.2万円/m²(n=34) 6.1万円/m²(n=21) 金沢市の約60%水準
河北郡津幡町 3.5万円/m²(n=17) 6.5万円/m²(n=8) IRいしかわ鉄道沿線
河北郡内灘町 —(データなし) 6.3万円/m²(n=7)
かほく市 1.4万円/m²(n=8) 3.2万円/m²(n=6)
小松市 2.8万円/m²(n=18) 5.0万円/m²(n=8) IRいしかわ鉄道で金沢から約34分

出典:国土交通省 不動産情報ライブラリ API(XIT001)石川県 2026年Q1

野々市市は金沢市に隣接し、宅地(土地のみ)の中央値が金沢市より高い(9.7万円/m²)ことが確認されますが、サンプルが5件と少なく参考値として扱うべきです。白山市は金沢市の約60%の水準で、北陸鉄道石川線・松任駅周辺を中心にファミリー向け新築需要が高い地域です。


金沢市の交通・公共交通ネットワーク

鉄道:IRいしかわ鉄道と北陸新幹線

金沢市の鉄道交通はIRいしかわ鉄道(旧JR北陸本線、2015年北陸新幹線開業に伴い経営分離)が中心です。金沢駅を起点に、北(倶利伽羅・富山方面)と南西(小松・加賀温泉・敦賀方面)に延びています。

IRいしかわ鉄道の金沢市内駅(南→北の順):

駅名 エリア特性
西金沢駅 金沢市西部の住宅街。JR北陸本線との乗換。新築一戸建て中央値3,398万円(2026年6月集計)
金沢駅 北陸新幹線・IRいしかわ鉄道・北陸鉄道バスの主要ターミナル
東金沢駅 金沢市北東部の住宅地
森本駅 金沢市北部・弥勒町。北陸新幹線高架下の橋上駅舎

金沢駅から小松駅(IRいしかわ鉄道線)まで約33〜34分。金沢駅から富山駅まで約56〜61分(IRいしかわ鉄道・あいの風とやま鉄道経由)。

北陸新幹線は金沢駅を経由して東京方面(東京まで約2時間28分)・福井・敦賀方面への移動を担います。2024年3月の金沢〜敦賀間延伸開業以降、首都圏移住者・Uターン者の不動産需要が増加していると言われます(推定)。

北陸鉄道石川線

金沢市南西部・白山市方面へは北陸鉄道石川線が運行しています。野町駅(金沢市中心部)〜鶴来駅(白山市)を結ぶ路線で、金沢市南部の住宅地(泉野・押野・四十万など)を通過します。沿線の新築一戸建ては3,135〜3,337万円の価格帯が中心(2026年4〜6月)です。

バス路線:4つの系統

金沢市の路線バスは北陸鉄道バスが主要な路線網を担い、金沢駅を起点に市内全域をカバーします。加えて以下の特徴的なバス系統があります:

城下まち金沢周遊バス: 右回り(RL)と左回り(LL)で兼六園・ひがし茶屋街・金沢21世紀美術館などの主要スポットを巡回。大人220円均一。金沢駅東口7番乗り場から運行。観光・日常の兼用利用が可能。

金沢ふらっとバス: 路線バスが入れない中心部の小路を巡回する小型ノンステップバス。此花・菊川・材木・長町の4ルートがあり、バス停が約200m間隔で設置。20分間隔で運行。中心部居住者の近距離移動に便利。

金沢ショッピングバス: 2025年4月に「まちバス」の後継として北陸鉄道グループが運行開始(まちバスは2025年3月30日終了)。市内の商業・生活エリアを結ぶコミュニティバス。

郊外住宅地では車が生活の中心となるエリアが大半であり、公共交通の利便性は中心部から離れるほど低下する点を念頭に置く必要があります(推定)。


主要生活施設

医療機関

金沢市には石川県内最大の医療集積があります:

施設名 所在地 特徴
金沢大学附属病院 宝町13-1 石川県の基幹病院・特定機能病院。1922年創設の歴史を持つ
金沢赤十字病院 三馬2丁目251番地 回復期リハビリテーション病棟46床を備える
金沢市立病院 市内 市民病院

金沢医科大学病院(特定機能病院)は金沢市内ではなく河北郡内灘町に立地しています。金沢市から車や公共交通でアクセス可能ですが、市内在住者は他の市内病院が中心となります(推定)。

商業施設

中心商業エリア(香林坊・片町・武蔵周辺):

  • 香林坊大和(一番町1-1):石川県内随一の老舗百貨店。中心部の生活利便性を支える存在
  • 金沢エムザ(武蔵町15-1):金沢駅近くの百貨店。2026年1月にエムザデリマーケット クロスゲート金沢店が閉店するなど、再開発に向けた動きが続いています
  • 金沢フォーラス(本町2-15-1):全国唯一のフォーラス店舗(OPA運営)。若年層向けテナントが集積

郊外型・近隣商業: 市内・近郊には大型スーパーや食料品店が72店舗(金沢市エリア)展開しており、日常の買い物環境は充実しています。コンビニエンスストアも市内全域に203店舗程度が展開しています(出典:くふう トクバイ 集計)。

教育機関

金沢市には金沢大学(角間キャンパス)・金沢美術工芸大学など複数の高等教育機関が立地し、学生・教職員の賃貸・購入需要が一定数存在します。金沢工業大学は隣接する野々市市にキャンパスがあります。

公立小中学校の学区情報は金沢市教育委員会公式サイト「小中学校通学区域一覧」で確認できます。物件購入前に希望する学区を事前確認することを推奨します。


エリア別地域特性と価格水準

金沢市内でも、エリアによって価格水準・生活利便性・ハザードリスクが大きく異なります。P25〜P75のレンジが5〜20万円/m²と非常に広いことからも明らかなように、同じ「金沢市」であっても条件次第で価格は大きく変わります。以下は各エリアの概況です。

中心市街地(香林坊・片町・竪町周辺)

金沢市の旧城下町エリアに相当する中心商業地。土地価格は概してP75付近(10〜20万円/m²超)の高水準で、純粋な居住用一戸建ての供給は限られます。区分マンション・商業テナントが主流であり、一戸建てを探すなら周辺エリアへの視野が必要です(推定)。

金沢駅周辺・駅西口エリア

金沢駅へのアクセスが最良のエリア。旧金沢都ホテル跡地(此花町)で近鉄不動産が日本海側随一の高さを目指す官民複合ビル建設を計画しており、2025年9月に石川県知事・金沢市長に構想案が説明されています。北陸新幹線通勤者やビジネス用途の需要が高く、土地価格は比較的高めで推移しています(推定)。

東部エリア(金沢大学周辺・丘陵地)

金沢大学角間キャンパス周辺や医王山方面は、自然豊かな静かな住宅街が広がります。ファミリー向け一戸建ての供給は多いエリアですが、**土砂災害警戒区域(A33)**が指定されているエリアも含まれており、購入前に金沢市のハザードマップでの確認が必須です。

北部エリア(IRいしかわ鉄道沿線・東金沢・森本)

東金沢駅・森本駅周辺は、金沢駅まで電車で数十分程度(推定)の住宅街です。北陸新幹線の高架が走るエリアでもあります。土地の価格は市全体の中央値(8.5万円/m²)と同程度か、立地によってはそれ以下の地区もあります(推定)。

南部・西部エリア(北陸鉄道石川線沿線・泉野・押野・四十万)

野町〜四十万の北陸鉄道石川線沿線は、金沢市南部のファミリー向け住宅地として需要があります。西金沢駅(IRいしかわ鉄道)周辺も含め、新築一戸建ての価格帯は3,200〜3,600万円程度が中心。バスアクセスも充実しており、生活利便性が高い地域です(SUUMO 2025〜2026年調査より)。


2025〜2026年の主要再開発動向

金沢市では、2025年以降に複数の大型再開発・都市計画が進行しており、エリア価値と不動産市場への影響が注目されます。

金沢駅東地域 都市再生緊急整備地域指定(2025年7月)

2025年7月2日、**金沢駅から武蔵・南町・香林坊・片町に至る都心軸沿線エリア(約59ヘクタール)**が「都市再生緊急整備地域」に指定されました。この指定により、従来の60m高さ制限が「都市再生特別地区」の活用で解除される可能性があり、民間主導の再開発が加速すると見られています(出典:健美家 2025年8月12日掲載)。

指定エリアに含まれる主要物件・跡地:

  • 金沢都ホテル跡地(此花町):近鉄不動産が日本海側随一の高さを持つ官民複合ビルを構想
  • 金沢エムザ(武蔵町):閉店・建替え予定
  • 日本銀行金沢支店跡地(香林坊2丁目):金沢市が取得を検討
  • プレーゴ(片山1丁目):2026年3月末閉店予定のショッピングモール

片町四番組海側地区 市街地再開発事業

金沢市片町2丁目(施行区域面積約0.4ヘクタール)では、野村不動産が参画する第一種市街地再開発事業が進行しています。2025年度に組合設立認可、2026年度に権利変換計画認可、2027年度に既存建物解体・着工、2030年度竣工を予定。商業・住宅・ホテル・駐車場等の複合利用を計画しています(出典:野村不動産プレスリリース 2024年7月2日)。

再開発が不動産市場に与える影響

中心部の商業機能再編が進む一方、住宅・ホテル用途の容積上積みにより中心部の供給が増加する可能性があります。再開発エリア近接の住宅価格への波及は竣工後に現れることが多く、現時点では価格への直接的な影響は限定的とみられます(推定)。物件検討時には、エリアの再開発計画を事前に確認しておくことが有益です。


時系列でみる価格トレンドと変動要因

2022〜2026年Q1の変動要因

2022年(安定期): 宅地(土地と建物)の中央値は8.9〜9.5万円/m²で安定。全国的な住宅価格上昇基調の中でも、金沢市では急激な変動は見られませんでした。

2023年(変動幅拡大): Q1・Q3に中央値が11万円/m²超に達しました(2023Q1:11.4万円/m²、2023Q3:11.3万円/m²)。P75(上位25%)も22〜20万円/m²と上昇し、高価格帯の取引が増えた可能性があります(推定)。

2024年(全国波及と水準定着): 中央値は9〜10.4万円/m²で推移。全国的な価格上昇が戸建て市場にも波及していると考えられます(推定)。

2025年(底上げ局面): 2025年Q2のサンプル数153件と最多水準。中央値9.5〜10.9万円/m²の範囲で、P25の底上げが続きました。

2026年Q1(最新): 宅地(土地のみ)中央値8.5万円/m²はデータ期間中の最高値。宅地(土地と建物)中央値10.9万円/m²は2025Q4と同水準を維持。P25は6.6万円/m²で2022年比大幅に切り上がっており、低価格帯の物件取引機会が絞られている可能性があります。

全国指数との比較

全国住宅総合指数が2022〜2025年にかけて+13.8ポイント(130.9→144.7)上昇した一方、金沢市の宅地(土地と建物)中央値は同期間に+1〜2万円/m²程度の上昇にとどまっています。全国のマンション市場の急騰(指数2倍超)と比較すると、金沢市の一戸建て市場は落ち着いた推移と言えます。ただし、全国指数は東京・大阪等の大都市を強く反映するため、地方都市との直接比較には注意が必要です。


ハザード情報と価格への影響

主要なハザードリスク

石川県のハザード情報(国土数値情報)によると、金沢市内には以下のリスクエリアがあります:

  • 土砂災害警戒区域(A33): 金沢市東部の山際(医王山方面・金沢大学角間キャンパス周辺)に指定区域あり。個別地形要因が大きく、同一大字内での統計的な価格差は出にくい傾向があります
  • 津波浸水想定区域(A40): 日本海に面する金沢市沿岸部(大野・金石方面)に指定エリアあり。2024年能登半島地震後に想定が見直された地域もあります
  • 高潮浸水想定(A49): 石川県分は国土数値情報に未収録(データ未整備)

出典:石川県不動産ファクトシート2026年版(A33・A40ハザード情報)

ハザード区域と重要事項説明

ハザード区域指定の有無は宅地建物取引業法第35条に基づく重要事項説明に記載される義務があります。購入前に自治体の金沢市ハザードマップ(金沢市公式サイトより閲覧可)で現地周辺の状況を必ず確認してください。


一戸建て購入前のよくある質問(Q&A)

Q1. 「土地のみ」と「土地と建物」のデータの違いは何ですか?

「宅地(土地のみ)」は更地・造成済み土地の取引。「宅地(土地と建物)」は建物付き土地の取引で、新築・中古・築古が混在します。注文住宅を建てる場合は「土地のみ」、建売・中古を購入する場合は「土地と建物」が参考になります。ただし中古物件の価格は築年数に大きく左右されるため、単価での比較には限界があります。

Q2. 金沢市で価格が抑えめな一戸建てはどのエリアに多いですか?

取引データでP25(下位25%)付近の物件が多いとみられるのは、郊外立地や築年数の高い中古物件です。ただし古い建物はリノベーション費用が別途かかるため、総コストで検討することが重要です。隣接する白山市・津幡町は金沢市より単価が低く(白山市宅地(土地と建物)中央値6.1万円/m²)、金沢駅への通勤を前提にした選択肢となります(推定)。

Q3. 金沢市は車なしで生活できますか?

中心市街地(香林坊・武蔵周辺)や金沢駅周辺では、北陸鉄道バス・ふらっとバスが充実しており車なしでの生活も成立します。一方、東部・北部・郊外住宅地では日常の買い物・通院・通学に車が不可欠となるエリアが大半です(推定)。物件選定時に最寄りバス停・駅までの距離と運行本数を必ず確認してください。

Q4. 北陸新幹線延伸後、金沢市の一戸建て価格は上がりましたか?

2024年3月の金沢〜敦賀間延伸後、交流人口増加による移住・定住需要が増加しているとされますが(推定)、取引データ上は2023〜2026Q1にかけて「緩やかな底上げ」が見られる程度です。急騰というよりは、P25(下位25%)の切り上がりとして現れており、安価な物件が市場に出にくくなっている可能性があります。

Q5. 2025〜2026年の再開発は購入判断に影響しますか?

金沢駅東地域の都市再生緊急整備地域指定(2025年7月)・片町の再開発事業(2030年竣工予定)は中心部の魅力向上要因ですが、完成まで数年を要します。現在の購入判断においては「将来の開発ポテンシャル」の一つとして参照する程度が妥当です。再開発エリア直近の物件は、工事中の騒音・迂回路・景観変化なども確認事項として加わります(推定)。


データの見方と限界

本記事で示したデータは、国土交通省 不動産情報ライブラリの取引届出データをもとにしており、以下の点に留意が必要です:

  • データは「実際の売買成約価格」であり、現在市場に出ている物件の販売価格ではありません
  • 「宅地(土地と建物)」には新築・中古・築年数不明の物件が混在しており、築年数による大きな価格差が含まれます
  • P25〜P75の価格差が大きいため、中央値のみでエリアの「相場」を判断することには限界があります
  • 金沢市全体のデータであり、特定地区の個別性は反映されません
  • 2026Q1はサンプル数が少なく(土地55件・土地と建物77件)、取引が集まる時期(Q2・Q4)より信頼性がやや低い点に注意してください

実際の購入にあたって

  1. 不動産会社による査定を受ける: 統計データはあくまで参考値。実際の物件は個別条件(向き・形状・建物状態・接道条件等)によって価格が大きく変わります
  2. 重要事項説明を必ず受ける: 宅地建物取引士からの重要事項説明(法令上の制限・ハザード区域・権利関係等)は法定義務です。説明内容を十分に理解してから契約してください
  3. インスペクション(建物状況調査)の活用: 中古物件の場合、インスペクションで建物の状態を事前確認することを検討してください(推定)

まとめ

金沢市の一戸建て・宅地市場を2022〜2026年Q1のデータで振り返ると:

  • 宅地(土地のみ)中央値は7.2〜8.5万円/m²で推移し、2026Q1に8.5万円/m²とデータ期間中の最高値を記録
  • 宅地(土地と建物)中央値は2025Q4・2026Q1ともに10.9万円/m²で、2022〜2023年比で1〜2万円/m²程度の上昇水準で定着
  • P25(下位25%)の底上げが顕著で、低価格帯物件の流通が絞られる傾向
  • 隣接する白山市・津幡町は金沢市より単価が低く、ファミリー向けの比較対象として機能
  • 2025〜2026年の再開発動向(金沢駅東地域の都市再生整備地域指定・片町再開発)がエリア価値に中長期的な影響を与える可能性
  • ハザードリスク(東部の土砂・沿岸の津波)の事前確認が不可欠

購入の意思決定には、本記事の統計データに加えて、現地視察・不動産業者への相談・重要事項説明の内容確認が欠かせません。


出典・参考情報

本記事は参考情報です。実際の取引判断は宅地建物取引士にご相談ください。