はじめに — 石川県で不動産を探す人が最初に知るべきこと

石川県内で住宅の購入・売却・賃貸を検討しているなら、「空き家率15.6%」という数字は避けては通れません(出典: 総務省 令和5年住宅・土地統計調査)。全国平均13.84%(出典: アキサポ )を上回るこの水準は、全国26位(出典: ダイヤモンド不動産研究所 )に相当します。石川県内には86,400戸の空き家があると推計されており、この数は長期にわたって増加を続けています。

しかし、県全体の数字よりも重要なのは「どこの空き家率が高いか」という問いです。石川県では市区町村によって空き家率に数倍から10倍以上の差があり、エリアによって不動産市場の性格がまったく異なります。2024年1月1日の能登半島地震(最大震度7、輪島市・珠洲市・七尾市等で甚大な被害)がこの格差をさらに拡大させた点も見逃せません。

本記事では、2023年の住宅・土地統計調査データをもとに市区町村別の空き家率を整理したうえで、加賀地方・能登エリアそれぞれの実態、最新の取引価格統計(2025Q4〜2026Q1)、そして空き家バンクや移住支援制度まで網羅的に解説します。空き家を「問題」としてではなく「機会」として捉えるための実用情報も合わせてお伝えします。


石川県 市区町村別 空き家率ランキング(2023年)

総務省 令和5年住宅・土地統計調査に基づく石川県内の市区町村別空き家率を示します(出典: ダイヤモンド不動産研究所 )。ランキング上位は能登半島の自治体が独占し、加賀地方との格差が鮮明です。

順位 市区町村 空き家率 空き家数
1 志賀町 32.96% 3,270戸
2 輪島市 29.22% 3,760戸
3 能登町 26.24% 2,110戸
4 珠洲市 24.53% 1,700戸
5 加賀市 23.05% 7,390戸
石川県全体 15.60% 86,400戸

加賀市が能登半島の自治体に次いで5位に入っている点は注目に値します。能登エリアの過疎化に加え、加賀市が古い温泉街(山代・山中・片山津・粟津)の旧旅館建屋や農村部の古民家を多く抱えることが背景にあります(推定)。一方、金沢市・野々市市・白山市といった加賀地方の主要都市については全国平均を下回る水準と推定されますが、市街化区域の周辺部・山間部には局地的に高い空き家率が存在します(推定)。

経年推移 — 空き家率は60年で約10倍に

石川県の空き家率の長期推移は以下のとおりです(出典: ダイヤモンド不動産研究所 )。

調査年 石川県 空き家率
1958年 1.68%
2003年 13.50%
2018年 14.52%
2023年 15.60%

2003年から2023年の20年間で2.1ポイント上昇しており、そのうち直近5年(2018〜2023年)だけで1.08ポイント増加しています。人口減少・少子高齢化・相続未整理の3要因が重なり、2024年の能登半島地震の影響が次回(2028年予定)調査に加わることで、能登エリアを中心にさらなる上昇が見込まれます(推定)。


空き家の「種類」で異なる不動産市場への影響

空き家といっても一律ではなく、総務省統計では4種類に分類されます。

種類 定義 市場への影響
賃貸用空き家 賃貸募集中・入居待ちの状態 賃貸市場の供給増
売却用空き家 売却活動中の状態 売買市場の供給増
二次的住宅 別荘・週末利用 主に別荘地
その他空き家 放置・管理不全・老朽化 景観悪化・周辺価格下押し

不動産市場で問題となるのは主に「その他空き家」です。長期間放置された空き家は建物の老朽化・不法投棄・害虫・倒壊リスクをもたらし、周辺の地価を下押しする要因となります(推定)。能登エリアや加賀市の山間部では「その他空き家」の割合が高い可能性があります(推定)。

一方で、賃貸用・売却用の空き家は流通している物件であり、市場の機能を介して適正価格での取引が期待できます。石川県の空き家バンク制度は、「その他空き家」の一部を流通可能な状態に引き上げる橋渡し役を担っています。


加賀地方の空き家事情

金沢市 — 都市部と周辺部の二極化

金沢市の空き家率は石川県全体(15.6%)を下回る水準と推定されますが、市内でも地域によって状況は大きく異なります。

都市中心部(香林坊・片町・武蔵): 北陸新幹線(2015年金沢開業・2024年敦賀延伸)効果もあり、マンション需要・宿泊施設需要が高く空き家率は低い水準です。中古マンション取引の中央値は2025Q4時点で26.7万円/m²(n=27)、2026Q1で24.6万円/m²(P25: 12.6万円/m²、P75: 44.0万円/m²)と、価格の二極化が鮮明に表れています。

城北・城東エリア・東部山際: 市外周部では空き家が見られ、特に旧武家屋敷エリアでは所有者不明物件・相続未整理の空き家が文化財保護の観点からも課題となっています(出典: ダイヤモンド不動産研究所 )。

2025年度 金沢市の空き家対策強化 (出典: 石川県建築士事務所協会 ):

  • 危険空き家等除却費補助の上限を50万円→70万円に拡充
  • 補助対象の危険度基準を70点→45点に緩和(より早期の解体を促進)
  • 「かなざわ空き家活用バンク」掲載物件の購入・自己居住者に内部改修費補助

金澤町家情報バンク: 昭和25年(1950年)以前に建築された金沢らしい町家については、通常の売買流通の枠組みとは別に「金澤町家情報バンク」が情報提供を行っており、地域の文化的景観を守る観点から活用・保存のマッチングが進められています(出典: 金沢市 )。里山地域の空き農家については「空き農家情報バンク」で情報提供が行われています。

「金沢空き家再生ひきうけ隊」: 石川県宅地建物取引業協会が運営する任意団体が、法律・建築・相続など多分野の専門家と連携し、未登記・相続未了など複雑な事情を持つ空き家の流通を支援しています(出典: 石川県宅地建物取引業協会 )。

野々市市・津幡町・内灘町 — 金沢通勤圏で安定需要

野々市市は金沢市に隣接し、人口が増加傾向にある石川県内屈指の人口集中都市です(推定)。2026Q1の宅地(土地)中央値は9.7万円/m²(n=5)と、金沢市とほぼ同水準の価格帯を維持しています。空き家率は石川県平均を大きく下回ると推定されます(推定)。

河北郡津幡町では、空き家バンクを通じた入居に奨励金を交付する制度があり、2026年12月31日までに入居した場合が対象です(出典: 津幡町 )。2026Q1の宅地(土地)中央値は3.5万円/m²(n=17)と、金沢市の半値以下で一定の手頃感があります。

白山市 — 北陸新幹線効果に注目

白山市は金沢市への通勤圏として一定の住宅需要があり、2026Q1の宅地(土地)中央値5.2万円/m²(n=34)、2025Q4の宅地(土地と建物)中央値6.0万円/m²と安定した水準を示しています。北陸新幹線の白山市内新駅(構想段階)の動向が今後の地価に与える影響が注目点です(推定)。

小松市・加賀市 — 価格水準は低く空き家率は高め

小松市は小松空港を擁し、工業集積地として一定の雇用が維持されています。宅地(土地と建物)中央値4.0万円/m²と、金沢市の3分の1以下の水準です。かほく市は農村的な土地利用が多く、2026Q1の宅地(土地)中央値は1.4万円/m²(n=8)と低水準です。

加賀市は石川県内で空き家率ランキング5位(23.05%・7,390戸)と高く、古い温泉街の旧旅館建屋・農村部の古民家が空き家の大きな要因です(推定)。宅地(土地と建物)中央値0.8万円/m²(2025Q4)と取引価格は低水準。加賀市では特定空き家の解体助成を実施しており(出典: タウンライフ )、空き家バンクと組み合わせた移住促進が進んでいます(出典: かが定住 )。


能登エリアの深刻な現実 — 地震後の空き家問題

2024年能登半島地震と公費解体42,385棟

2024年1月1日の能登半島地震(最大震度7)は輪島市・珠洲市・七尾市・穴水町等に甚大な被害をもたらしました。石川県は6,882戸の応急仮設住宅を整備し、2024年12月23日に必要戸数の建設が完了しています(出典: 石川県 )。

被災家屋の公費解体は、2024年3月から約1年10カ月にわたって実施され、2025年末に16市町で42,385棟の解体が完了しました(出典: 北陸中日新聞 )。市町別では輪島市が最多の11,820棟を解体。ただし、土砂崩れで着手できない建物や大規模旅館など「別管理建物」1,763棟の解体は数年かかる見込みです。

人口1割減と帰還困難

2025年11月時点での状況 (出典: RENGO ONLINE ):

  • 19,000人が応急仮設住宅で生活継続(うち5,000人はみなし仮設住宅)
  • 能登の人口は地震以降約1割減少(もともとの人口減少が10年分前倒しで進行)
  • 子どものいる世帯を中心に帰還が進まず、金沢市など避難先への定着が顕著

帰還が進まない背景として、教育環境・友人関係・医療アクセスなどが避難先に傾いており、自宅への帰還を選ばない世帯が増えています。この人口流出は地震前からすでに高かった能登エリアの空き家率をさらに押し上げる要因となります(推定)。

復興公営住宅の整備状況(2026年3月時点)

石川県は輪島市・珠洲市・能登町・穴水町・七尾市・志賀町・中能登町・羽咋市の8市町で、合計約3,058戸の復興公営住宅整備を進めています(出典: 内閣府 )。必要な土地はすべて確保済みで、珠洲市・能登町・穴水町・七尾市・中能登町・羽咋市などで約240戸の建設工事が着手。最初の入居は2026年夏以降の見込みです。

ただし、輪島市では集約化か集落維持かの方向性が定まらず着工が遅れているエリアがあります(出典: 日本経済新聞 )。

建設費高騰と地域経済の課題

珠洲市・輪島市では坪単価100〜150万円の建設費がかかるケースも珍しくなく(出典: RENGO ONLINE )、自力再建を希望する被災者の経済的な障壁となっています。

観光面では、和倉温泉で営業再開した旅館は片手で数えられるほどで、「温泉地として再建するには5〜10年かかる可能性もある」と指摘されています。能登の地域経済の柱であった観光業の停滞が、さらなる人口流出と空き家増加につながるという悪循環が懸念されます(推定)。

重伝建地区と空き家問題の交差

石川県には重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)が8地区存在し、金沢市東山ひがし・主計町・卯辰山麓、輪島市黒島地区、加賀市加賀橋立など(出典: アキサポ )、文化的価値の高い建物が空き家問題と重なる状況にあります。これらの地区では文化財保護と空き家対策が連動した取り組みが求められています。


市区町村別 不動産取引価格統計(2025Q4〜2026Q1)

国土交通省 不動産情報ライブラリAPIに基づく石川県内の取引価格統計(出典: 国土交通省 )。空き家率が高いエリアほど取引価格が低い傾向がありますが、個別物件の条件によって差が大きく、一概には断言できません。

金沢市

物件種別 期間 中央値 P25 P75 n
中古マンション等 2025Q3 29.0万円/m²
中古マンション等 2025Q4 26.7万円/m² 27
中古マンション等 2026Q1 24.6万円/m² 12.6万円/m² 44.0万円/m² 25
宅地(土地と建物) 2025Q4 10.9万円/m² 129
宅地(土地と建物) 2026Q1 10.9万円/m² 77
宅地(土地のみ) 2025Q4 8.3万円/m² 96
宅地(土地のみ) 2026Q1 8.5万円/m² 55

中古マンション等の中央値は2025Q3の29.0万円/m²(直近ピーク)から2026Q1の24.6万円/m²へと低下傾向にあります。P25(12.6万円/m²)とP75(44.0万円/m²)の差が約3.5倍と大きく、立地・築年数・設備水準による価格の二極化が鮮明です。

野々市市・河北郡・かほく市(2026Q1)

エリア 物件種別 中央値 n
野々市市 宅地(土地のみ) 9.7万円/m² 5
河北郡津幡町 宅地(土地のみ) 3.5万円/m² 17
河北郡津幡町 宅地(土地と建物) 6.5万円/m² 8
河北郡内灘町 宅地(土地と建物) 6.3万円/m² 7
かほく市 宅地(土地のみ) 1.4万円/m² 8
かほく市 宅地(土地と建物) 3.2万円/m² 6

白山市・小松市(2025Q4〜2026Q1)

エリア 物件種別 中央値
白山市 中古マンション等 11.3万円/m²(n=5、参考値)
白山市 宅地(土地と建物) 6.0万円/m²(2025Q4)
白山市 宅地(土地のみ) 4.8万円/m²(2025Q4)/ 5.2万円/m²(2026Q1、n=34)
小松市 宅地(土地と建物) 4.0万円/m²(2025Q4)
小松市 宅地(土地のみ) 1.4万円/m²(2025Q4)

能登エリア(2025Q4〜2026Q1・地震影響あり)

エリア 物件種別 中央値 備考
七尾市 宅地(土地と建物) 1.3万円/m²(2025Q4)/ 0.7万円/m²(2026Q1、n=2) 地震後取引含む
七尾市 宅地(土地のみ) 1.2万円/m²(2025Q4・2026Q1、n=9) 地震後取引含む
輪島市 宅地(土地と建物) 1.8万円/m²(2025Q4) 地震後取引含む
輪島市 宅地(土地のみ) 1.2万円/m²(2025Q4) 地震後取引含む
珠洲市 宅地(土地のみ) 0.5万円/m²(n=6) 地震後取引含む
加賀市 宅地(土地と建物) 0.8万円/m²(2025Q4)
加賀市 宅地(土地のみ) 1.5万円/m²(2025Q4)

金沢市中心部(中古マンション26.7万円/m²)と珠洲市(宅地0.5万円/m²)の格差は50倍以上に達しており、同一県内でも極めて大きな価格格差が存在します。能登エリアのサンプル数は少なく(n=2〜9程度)、統計的精度は低い点に留意が必要です。

全国不動産価格指数との比較(参考)

住宅総合(全国・2010年=100) マンション(全国) 住宅地変化率(全国)
2015 104.9 121.0 -1.0%
2018 112.1 141.5 -0.3%
2020 113.9 153.4 -0.7%
2022 130.9 182.1 +0.1%
2023 134.8 191.4 +0.7%
2024 138.6 202.5 +0.9%
2025 144.7 217.8

全国では住宅地価格が2022年にプラスに転じ、マンションは2010年比で2倍以上の水準に達しています。しかし石川県(特に能登エリア)はこの全国上昇の恩恵をほとんど受けておらず、空き家問題と価格低迷が構造的に連動しています。


石川県の空き家バンクと移住支援制度

石川県では空き家問題の解決と移住促進を連動させた施策が充実しています。移住支援金と補助金を組み合わせることで、初期費用を大幅に圧縮できるケースがあります。

いしかわ空き家情報ナビ

石川県が運営する「いしかわ空き家情報ナビ」(ishikawa17000.akiya-athome.jp)は、各市町の空き家バンクに登録された物件をデータベース化し、ポータル上で一括検索できるシステムです(出典: 石川県 )。石川空き家総合相談窓口(電話: 076-291-2255)では所有者・購入希望者双方の相談に対応しています。

市町独自の空き家バンク(代表例):

  • 金沢市: かなざわ空き家活用バンク(kanazawa-sumai.net)
  • 能登町: 能登町ふるさと空き家情報(notolife.com)、2026年8月時点で27件登録
  • 津幡町: 空き家バンク(奨励金制度あり、2026年12月31日居住開始まで)
  • 加賀市: 空き家バンク(kaga-teiju.jp)

移住支援金(UIターン)

東京23区に5年以上在住または通勤した後に石川県内に移住した場合、以下の支援金が受けられます。

対象 支援金額
世帯移住 100万円
単身移住 60万円
子ども加算(18歳未満、令和6年4月以降転入) 1人あたり30万円

空き家バンクを通じた物件取得とUIターン移住支援金を組み合わせることで、移住初期費用の大部分を賄えるケースがあります。

リノベーション・除却補助

空き家のリノベーションや危険な空き家の除却には市町ごとの補助金があります。


空き家所有者が知っておくべきこと — 特定空き家と管理不全空き家

「空家等対策の推進に関する特別措置法」(2015年施行・2023年改正)により、適切な管理がされていない空き家は段階的に認定が進み、最終的には固定資産税の住宅用地特例(更地の税額を1/6に圧縮)が外れます。

区分 行政の手続き 固定資産税への影響
通常の住宅 住宅用地特例あり(1/6)
管理不全空き家(勧告後) 指導→勧告 住宅用地特例が外れ、最大6倍
特定空き家(命令・代執行) 勧告→命令→代執行 解体費用も所有者負担

管理不全空き家の勧告を受けた翌年度から固定資産税が増額となるため(出典: ダスキン空き家管理 )、放置するより早期に対処する経済的合理性があります。

売却時のポイント:

  • 更地渡しか現状渡しか: 古屋付きの土地として売却するか、解体して更地で売却するかによって買い手層と価格が変わります
  • 特定空き家への指定リスク: 管理が不十分な空き家は市区町村から「特定空き家」に指定され、固定資産税の住宅用地特例が外れる場合があります
  • 石川県・市町の空き家バンク: 石川県および各市町村は空き家バンクを運営しており、移住希望者とのマッチングが期待できます

空き家を購入する場合の注意点

石川県内の空き家(特に「その他空き家」)を購入する場合、通常の中古住宅取引以上に以下の点の確認が重要です。

建物の耐震性と状態確認

1981年以前に建築された住宅(旧耐震基準)は耐震補強コストが発生する可能性があります。長期放置された空き家では、電気・水道・ガスの復旧費用も別途必要です。インスペクション(建物状況調査)の実施を強くお勧めします。

境界確認と権利関係

空き家は隣接地との境界が未確認のケースが多く、売買前に測量が必要な場合があります。相続が複雑な物件・所有者不明物件では取引が長期化する場合があります。金沢市では「空き家等活用・流通促進体制」(司法書士・土地家屋調査士と連携)が複雑な権利関係への対処を支援しています(出典: 国土交通省 )。

能登エリア固有の注意点

能登エリアの物件は、2024年能登半島地震による被害の有無・程度を必ず確認してください。公費解体の対象物件・隣接物件の有無、ライフライン(特に上水道・道路)の復旧状況は自治体・現地での確認が不可欠です。

ハザード確認の方法

  • 土砂災害警戒区域(A33): 能登半島・加賀山間部に広く分布、金沢市東部の山際にも指定区域あり
  • 津波浸水想定(A40): 日本海沿岸全域が対象(輪島・珠洲・羽咋等)。2024年地震後に想定見直し済み
  • 高潮浸水想定(A49): 石川県分は国土数値情報に未収録(データ未整備)

よくある質問(FAQ)

Q: 石川県の空き家バンクで物件を購入するとどんな補助が受けられますか?

A: 自治体によって異なりますが、購入後の内部改修費補助(金沢市・かなざわ空き家活用バンク掲載物件)や危険空き家の除却補助、UIターン移住支援金(世帯100万円・単身60万円)などを組み合わせられるケースがあります。詳細は各市町村の窓口または石川空き家総合相談窓口(076-291-2255)にご確認ください。

Q: 能登エリアの物件を購入する場合、どんなリスクを考慮すべきですか?

A: 現時点(2026年8月)では能登エリアの人口減少・物価高騰・インフラ復旧の長期化といったリスクが存在します。特に珠洲市・輪島市・能登町などの奥能登は帰還困難世帯が多く、地域の活力回復には相当な期間がかかる可能性があります(推定)。公費解体後に更地化された周辺地の状態、ライフラインの復旧状況、復興公営住宅の整備計画なども購入前に確認することを強くお勧めします。

Q: 特定空き家に指定されると固定資産税が6倍になるとは本当ですか?

A: 正確には「管理不全空き家として勧告を受けた場合」に住宅用地特例が外れ、土地の固定資産税・都市計画税が増額されます(土地分が最大6倍)。「特定空き家」として命令・代執行の段階になると解体費用も所有者負担となります。指導が始まった段階での早期対処が重要です(出典: ダスキン空き家管理 )。

Q: 石川県の空き家率は今後どうなると見られていますか?

A: 2028年予定の次回住宅・土地統計調査では、2024年能登半島地震の影響(特に能登エリアでの大幅上昇)が反映される見込みです。加賀地方では金沢市を中心に都市部の空き家率は比較的低く推移する可能性がありますが、郊外・山間部では高齢化に伴い増加傾向が続くと見られます(推定)。

Q: 金沢市で空き家を探す場合、どこから始めればよいですか?

A: まず「かなざわ空き家活用バンク」(kanazawa-sumai.net)で掲載物件を確認し、「金澤町家情報バンク」(古い町家を探す場合)や「石川県宅地建物取引業協会・金沢空き家再生ひきうけ隊」への相談が起点となります。石川空き家総合相談窓口(076-291-2255)で県内全般のワンストップ相談が可能です。


データの見方・限界

本記事で使用した取引価格統計は以下の制限を持ちます。

  • 集計期間: 主に2025Q4〜2026Q1の取引が対象。季節変動や一時的な需給変化が中央値に影響する場合あり
  • サンプル数の偏り: 都市部(金沢市 n=77〜129)は信頼性が高い一方、能登エリア(n=2〜9程度)はサンプル数が少なく統計的精度が低い
  • 空き家率(15.6%): 2023年時点の統計。現在(2026年8月)は能登半島地震の影響で能登エリアを中心にさらに高い水準になっている可能性があります(推定)
  • 価格と空き家率の関係: エリア別の価格差は空き家率以外にも、立地・駅距離・土地形状・築年数・景観等の多数の要因が複合的に影響します

まとめ

石川県の空き家率15.6%(2023年・全国26位)は、エリアによって極めて大きな差がある問題です。

エリア 空き家率 価格水準(宅地中央値) 主な課題
金沢市中心部 低(推定) 高(中古M 24〜27万円/m²) 所有者不明・町家保全
野々市・白山・津幡 中低(推定) 中(4〜10万円/m²) 郊外空き家の増加
小松・かほく 中(推定) 低中(1〜4万円/m²) 農村部の空き家
加賀市 高(23.05%) 低(0.8〜1.5万円/m²) 温泉街旧旅館・農村古民家
七尾市 高(推定) 非常に低(0.7〜1.3万円/m²) 地震後の人口流出
輪島・珠洲・能登町 非常に高(25〜33%) 非常に低(0.5〜1.8万円/m²) 地震後の復興・空き家急増

所有者として: 管理不全化を放置すると固定資産税の増額・代執行リスクが生じます。石川県の空き家バンクや補助制度を積極的に活用し、早期の売却・活用を検討することが経済的合理性の高い選択肢です。

購入者として: 空き家バンク物件とUIターン移住支援金・リノベーション補助を組み合わせることで、初期費用を大幅に圧縮できるケースがあります。ただし、建物状態の調査、境界確認、ハザード確認、能登エリアでは地震被害の確認など、通常の取引以上の事前準備が不可欠です。

本記事は参考情報です。実際の取引判断は宅地建物取引士にご相談ください。


出典・参考情報