この記事でわかること

石川県内で土地の購入・売却・投資先を検討している方が最初に知りたいのは、「自分が見ているエリアの相場は県内・全国のどの位置にあるのか」という点でしょう。同じ石川県内でも、金沢市の中心市街地と奥能登エリアでは土地の取引単価に40倍以上の開きがあります。本記事ではこの問いに対して、取引データと公示地価の両面から答えを提示します。

具体的には以下の内容をカバーします。

  • 最新の取引価格データ(2026年Q1・2025年Q4): 国土交通省・不動産情報ライブラリAPIから集計した市区町村別の中央値・P25/P75レンジ
  • 2026年公示地価の動向: 石川県全体・金沢市を中心とした4年連続上昇の状況と商業地の急騰地点
  • 地域特性と交通アクセス: 金沢市の大規模再開発動向、北陸新幹線延伸の影響、能登半島地震(2024年1月)の復興状況
  • 購入前の実用情報: ハザードリスクの確認方法、注意すべき地域特性、よくある疑問への回答

記事内の価格はすべて参考情報です。実際の取引では宅地建物取引士による査定・重要事項説明をご利用ください。


全国・石川県の市況概観

全国不動産価格指数のトレンド(2010年=100)

国土交通省が公表する不動産価格指数(原数値)は、2025年1月時点で住宅総合が144.7(前年比+6.1ポイント)、マンション(区分所有)が217.8と2010年比で2倍超の水準に達しています。住宅地の標準価格変化率は2022年から3年連続でプラスとなっており、全国的な地価上昇が継続しています。

住宅総合(全国) マンション(全国) 住宅地変化率(全国)
2020 113.9 153.4 −0.7%
2021 120.7 165.2 −0.5%
2022 130.9 182.1 +0.1%
2023 134.8 191.4 +0.7%
2024 138.6 202.5 +0.9%
2025 144.7 217.8 —(参考値)

出典: 国土交通省 不動産価格指数(月次)、総務省 社会・人口統計体系

2026年公示地価:石川県の動向

2026年(令和8年)の公示地価では、石川県全体の全用途平均変動率が**+1.0%と4年連続の上昇を記録しました。このうち商業地の平均変動率は+1.4%と3年連続のプラスで、地点別では金沢市片町2丁目が+13.3%**と県内最大の上昇率を記録しています。

金沢市の公示地価(全用途平均)は2026年に147,836円/m²(変動率+2.86%)と、全国平均を上回る水準での上昇が続いています。特にJR金沢駅から香林坊・片町に至る都心軸では、2024年3月の北陸新幹線延伸後の訪日外国人急増(2024年は過去最多の227万人泊、前年比2.2倍増)を背景に、商業地を中心とした地価上昇が顕著です。

県内最高価格地点は金沢市本町2丁目の商業地(112万円/m²)で、18年連続で県内最高を維持しています。(出典: 北國新聞

一方、南加賀エリアの加賀市では住宅地公示地価が-1.59%と下落傾向にあり、能登地域では2024年1月の能登半島地震の影響が引き続き取引データに反映されています。

石川県の地域区分と市場の性格:

石川県は南北に細長い地形を持ち、金沢市を中心とする加賀地域と、能登半島を構成する能登地域で市場の性格が大きく異なります。

  • 加賀地域(金沢市・野々市市・白山市・かほく市・小松市・加賀市等): 金沢市への通勤圏として宅地需要が継続的に存在。北陸新幹線延伸後は観光需要による商業地上昇も加わり、全国平均に近い水準の地価を維持。
  • 能登地域(七尾市・輪島市・珠洲市等): 人口流出が続く地方市場。2024年1月の能登半島地震により取引への影響が継続中。

市区町村別の土地取引価格統計(最新:2026年Q1)

以下は国土交通省・不動産情報ライブラリAPIから集計した、**2026年第1四半期(2026年1〜3月)**の市区町村別取引価格です。単位はすべて万円/m²。

宅地(土地のみ)

市区町村 中央値 P25 P75 サンプル数
野々市市 9.7 8.7 9.9 5 ※参考
金沢市 8.5 7.0 10.0 55
白山市 5.2 3.3 7.9 34
河北郡津幡町 3.5 0.9 4.4 17
小松市 2.8 2.0 4.4 18
能美市 2.2 0.9 2.9 12
かほく市 1.4 0.3 4.7 8 ※参考
加賀市 0.7 0.7 0.7 2 ※参考
七尾市 1.2 0.3 1.9 9
輪島市 1.2 0.4 2.2 11
羽咋市 0.9 0.0 1.2 6 ※参考
珠洲市 0.5 0.1 0.6 6 ※参考
鳳珠郡能登町 0.7 0.2 1.0 3 ※参考
鹿島郡中能登町 0.3 0.1 2.3 3 ※参考
羽咋郡志賀町 0.1 0.0 0.4 4 ※参考

※参考: サンプル数10件未満の市区町村は参考値として扱うこと。1〜2件の取引が中央値を大きく動かす場合があります。

宅地(土地と建物)

市区町村 中央値 P25 P75 サンプル数
金沢市 10.9 6.6 20.0 77
河北郡津幡町 6.5 3.9 17.6 8 ※参考
河北郡内灘町 6.3 3.5 11.2 7 ※参考
白山市 6.1 3.0 13.0 21
小松市 5.0 0.9 10.5 8 ※参考
かほく市 3.2 0.7 3.6 6 ※参考
加賀市 1.4 0.2 3.7 9
能美市 1.4 0.0 5.6 7 ※参考
鳳珠郡能登町 2.1 0.2 2.9 3 ※参考
輪島市 1.5 0.3 30.9 3 ※参考
七尾市 0.7 0.5 0.8 2 ※参考
鹿島郡中能登町 0.3 0.2 0.4 2 ※参考

注: 輪島市の宅地(土地と建物)のP75(30.9万円/m²)はサンプル3件の外れ値で、復興関連の特殊取引が含まれる可能性があります。

中古マンション等

市区町村 中央値 P25 P75 サンプル数
金沢市 24.6 12.6 44.0 25
白山市 7.0 6.4 7.5 2 ※参考

出典: 国土交通省 不動産情報ライブラリAPI(XIT001)石川県(area=17)、2026年Q1取引実績

前四半期(2025年Q4)との比較(主要市区町村)

市区町村・種別 2025年Q4 2026年Q1 差分
金沢市 宅地(土地のみ) 8.3 8.5 +0.2
金沢市 宅地(土地と建物) 10.9 10.9 ±0
金沢市 中古マンション等 26.7 24.6 −2.1
白山市 宅地(土地のみ) 4.8 5.2 +0.4
小松市 宅地(土地のみ) 1.4 2.8 +1.4
河北郡津幡町 宅地(土地のみ) 2.0 3.5 +1.5
七尾市 宅地(土地のみ) 1.2 1.2 ±0
輪島市 宅地(土地のみ) 1.2 1.2 ±0

注: 小松市・津幡町の上昇は四半期サンプル構成の変化(立地・物件種別の偏り)が影響している可能性があり、単純なトレンドとして読まないこと。


価格に影響する地域特性

金沢市:北陸新幹線と大規模再開発が牽引

金沢市は石川県の県庁所在地(人口約46万人)で、石川県内の不動産取引量の中心地です。宅地(土地のみ)の2026Q1中央値は8.5万円/m²と県内で最も高い水準(野々市市のサンプルn=5を除く)にあります。

交通アクセス:

2024年3月の北陸新幹線延伸(金沢〜敦賀)により、東京〜金沢間の最速所要時間は約2時間28分となっています。市内の公共交通は北陸鉄道バスが中心で、城下まち金沢周遊バスが金沢駅東口を起点に市内の主要観光地・商業地を15〜20分間隔で運行しています(2026年4月改正)。また、JR金沢駅から野々市市(JR野々市駅)まで約8分、白山市(JR松任駅)まで約13分と、近郊都市へのアクセスも良好です。

駅圏内でみると、金沢市の地価は金沢駅(平均22万4,162円/m²)が最も高く、北端の粟ヶ崎駅(2万6,300円/m²)が最も低いという内部格差があります。

都心部の大規模再開発(2025〜2030年):

2025年7月2日、金沢駅から武蔵・南町・香林坊・片町に至る都心軸沿線エリア(59ヘクタール)が国から「都市再生緊急整備地域」に指定されました。これにより容積率・高さ制限の緩和や金融・税制支援が活用できるようになり、以下の再開発が本格化しています。(出典: 健美家

案件 場所 概要 スケジュール
片町四番組海側地区 片町2丁目 野村不動産参画、商業・住宅・ホテル複合(約0.4ha) 2025年度組合設立→2030年竣工予定
武蔵ケ辻A地区 武蔵町 金沢スカイビル(金沢エムザ・ANAホリデイ・イン)の建替え計画(面積11,911m²) 構想段階
金沢都ホテル跡地 此花町 近鉄不動産所有、用途未定 検討中
日本銀行金沢支店跡地 香林坊2丁目 取得予定、用途未定 検討中
プレーゴ 竪町 2026年3月末閉店、後継用途未定

(出典: 健美家 https://www.kenbiya.com/ar/ns/region/shinhoku/8174.html、同

商業地価格を牽引する片町2丁目エリアでは2026年公示地価が前年比+13.3%と急上昇。観光需要の急拡大(2024年の外国人宿泊客が過去最多・前年比2.2倍)とホテル建設ラッシュが重なり、中心市街地の土地価格は2024年以降に加速的な上昇傾向を見せています。

住宅地の特徴とハザード:

金沢市内でも住宅地の価格帯は大きく異なります。駅から徒歩圏の城南・西部方面では高単価の宅地取引が多い一方、市東部の山際エリア(犀川・浅野川上流部)は土砂災害警戒区域(A33)の指定が多く、同一大字内でも価格にばらつきが出ます。


野々市市・白山市:金沢通勤圏の住宅需要

野々市市(金沢市南隣、人口約5.7万人):

金沢工業大学のキャンパスを擁し、大学生・若い世帯の集積が続く小規模市です。JR野々市駅から金沢駅まで約8分の利便性から、金沢市の衛星都市(ベッドタウン)として機能しています。国道8号線・金沢バイパス沿いにはケーズデンキ・ヤマダ電機など家電量販店が集積し、生活利便性が高い点が評価されています。

公立病院は野々市市内にはなく、隣接する白山市の公立松任石川中央病院(白山市・川北町との共同設置)が最寄りとなります。

2026Q1の宅地(土地のみ)中央値は9.7万円/m²(P25: 8.7、P75: 9.9)と数値上は金沢市を上回っていますが、サンプル数は5件と少なく、特定エリアの取引集中が影響している可能性があります。2025Q4(7.9万円/m²)との間の変動幅も大きく、継続的なモニタリングが必要な状況です。

白山市(旧松任市等の合併市、人口約11万人):

旧松任市・美川町・鶴来町等が合併した広域市です。JR松任駅が中心市街地で、金沢駅まで約13分の利便性から金沢市への通勤圏の郊外住宅地として安定した需要があります。

2026年公示地価では住宅地(松任駅周辺)が前年比+3.24%(松任駅地価平均 6万3,300円/m²)と上昇傾向を維持。白山市では松任駅周辺・加賀笠間駅周辺・美川地区・鶴来地区で都市再生整備計画が進行中で、各地区の駅周辺整備が継続的に取り組まれています。(出典: 白山市公式サイト

2026Q1の宅地(土地のみ)中央値は5.2万円/m²(P25: 3.3、P75: 7.9、n=34)で、金沢市(8.5万円/m²)の約61%の水準。P25〜P75の開き(4.6万円/m²幅)が大きく、郊外の農村接続地区から駅前住宅地まで幅広い取引が含まれています。


小松市・能美市・加賀市:南加賀エリアの特性

小松市(人口約10万人):

小松空港(石川県唯一の民間空港)を擁し、コマツ(建設機械)・小松精練等の製造業が集積する工業都市です。JR小松駅から金沢駅まで在来線で約40分(特急使用時は約17分)。2040年を目標年次とした「都市デザイン・ビジョン」を掲げ、「世界に時めく日本海側の拠点都市こまつ」を目指した都市整備が進行中です。(出典: 小松市

2026Q1の宅地(土地のみ)中央値は2.8万円/m²(P25: 2.0、P75: 4.4、n=18)で、2025Q4(1.4万円/m²)から大きく上昇しているように見えますが、四半期間のサンプル構成の変化(立地・用途の偏り)が影響している可能性が高く、単純な価格上昇トレンドとは判断できません。複数四半期の平均でみると1.5〜2.5万円/m²台が実態に近い水準です。

能美市(人口約4.9万人):

小松市の東に接する都市で、JR能美根上駅を中心に住宅地が広がっています。製造業の集積(ハニーウェル・JTEKT等)があり、雇用基盤が比較的安定しています。2026Q1の宅地(土地のみ)中央値は2.2万円/m²(P25: 0.9、P75: 2.9、n=12)。

加賀市(人口約6.4万人):

旧加賀温泉郷(山代・山中・片山津・粟津温泉)を有する観光都市です。2024年3月に北陸新幹線「加賀温泉駅」が開業し、首都圏からの直通アクセスが大幅に改善されました。ただし住宅地公示地価は2025年時点で-1.59%と下落傾向が続いており、2026Q1の宅地(土地のみ)はサンプル2件(中央値0.7万円/m²)と取引が低調です。観光関連の宿泊施設・商業施設に絞った地価上昇(商業地+4.47%)が顕著で、定住用の住宅地需要は低調という二極化の傾向が見られます。


能登地域:2024年能登半島地震の影響と復興状況

2024年1月1日に発生した**能登半島地震(最大震度7、Mw 7.6)**は、石川県能登地方に甚大な被害をもたらしました。輪島市・志賀町で最大震度7を記録し、七尾市・珠洲市・穴水町・能登町等でも大きな被害が生じています。

復興の現状(2025〜2026年時点):

県内9市町(輪島市・珠洲市・能登町・穴水町・七尾市・志賀町・中能登町・羽咋市・内灘町)で**災害公営住宅(計約3,000戸)**の整備が進められています。2025年度中にすべての被災市町で「復興まちづくり計画」が策定・公表される予定です。また、石川県と能登復興建築人会議が連携し、古民家の流通を希望する物件の掲載・相談窓口を2025年1月から運営しています。(出典: 石川県

輪島市・珠洲市の一部エリアでは断水が続いていた時期があり(2025年時点では復旧困難地域等を除き解消済み)、インフラ復旧状況は地区により差があります。

不動産取引データへの影響:

2024年以降の七尾市・輪島市・珠洲市の取引データには、以下の要因が複合的に含まれています。

  1. 復興解体需要: 損壊建物の撤去・売却に伴う特殊な取引
  2. 復興住宅関連の需給変動: 建設業者・関係者の流入による需要変化
  3. 人口流出: 被災による移転・転居で需給バランスが変化
  4. 復興前提の低価格取引: 被災建物付き土地の特殊価格

2026Q1の宅地(土地のみ)中央値を見ると、七尾市が1.2万円/m²(n=9)、輪島市が1.2万円/m²(n=11)、珠洲市が0.5万円/m²(n=6)と低位水準が続いています。これらの数値は地震前の水準からの変化を含んでいる可能性があり、単純な相場として読むことは適切ではありません。

津波ハザードの再評価:

2024年地震後、日本海沿岸各市の津波浸水想定(A40)が見直されつつあります。輪島市・珠洲市・羽咋市・志賀町等の海沿いエリアでは、最新のハザードマップポータルサイトでの確認が必須です。高潮浸水想定(A49)については、石川県分のデータが国土数値情報に未収録(データ未整備)の状態が続いています。


時系列でみる価格トレンド(2022年Q4〜2026年Q1)

主要市区町村の各時点における中央値(万円/m²)の推移を示します。

金沢市

時点 中古マンション等 宅地(土地のみ) 宅地(土地と建物)
2022年Q4 23.4 7.7 9.1
2023年Q4 20.8 7.9 9.5
2024年Q4 29.4 8.0 9.1
2025年Q4 26.7 8.3 10.9
2026年Q1 24.6 8.5 10.9

宅地(土地のみ)は2022年から2026年Q1にかけて7.7→8.5万円/m²と約10%の上昇を示しており、緩やかな上昇トレンドが継続しています。一方、マンション中央値は四半期ごとの変動幅が大きく(サンプル25〜35件)、2025年Q3の29.0万円/m²をピークにやや低下しており、個別物件の構成変化に敏感な市場です。

白山市

時点 宅地(土地のみ) 宅地(土地と建物)
2022年Q4 4.3 6.0
2023年Q4 5.2 3.6
2024年Q4 4.5 7.7
2025年Q4 4.8 6.0
2026年Q1 5.2 6.1

白山市の宅地(土地のみ)は4〜5万円/m²台で安定推移しており、金沢市通勤圏の住宅地需要が継続的に存在することを示しています。「宅地(土地と建物)」の年間変動は、築年数・建物規模の構成変化による影響が大きいです。

小松市

時点 宅地(土地のみ) 宅地(土地と建物)
2022年Q4 1.8 1.5
2023年Q4 2.3 3.3
2024年Q4 2.7 4.3
2025年Q4 1.4 4.0
2026年Q1 2.8 5.0

小松市の宅地(土地のみ)は四半期間でのばらつきが大きく、1.4〜2.8万円/m²の範囲で変動しています。複数期間の平均でみると1.5〜2.5万円/m²台が実態に近い水準です。


購入前に知っておくべき実用情報

ハザードリスクの確認方法

石川県内の土地を検討する際、以下のハザードを購入前に必ず確認してください。

ハザード種別 主な対象エリア 確認方法
土砂災害警戒区域(A33) 金沢市東部山際・能登半島山間部・加賀山間部 ハザードマップポータルサイト
津波浸水想定(A40) 日本海沿岸全域(輪島市・珠洲市・羽咋市等) 同上(2024年地震後に見直し中の地区あり)
洪水浸水想定 犀川・浅野川・梯川・手取川等の沿川 同上

→ ハザードマップポータルサイト(https://disaportal.gsi.go.jp/ )で一括確認できます。

建築確認と法令上の制限

石川県内の農村・郊外エリアでは接道義務を満たさない「再建築不可」物件が一定数存在します。また、農業振興地域・農用地区域の指定がある場合は宅地転用が困難なケースもあります。購入前には必ず前面道路の幅員・接道状況、用途地域、農地指定の有無を確認してください。

能登エリアで物件を探す場合の注意点

七尾市・輪島市・珠洲市等の能登北部で物件を検討する際は、以下を個別に確認することが不可欠です。

  • 被災状況(解体済みか、損壊のレベルか)
  • ライフライン(水道・電気・ガス)の復旧状況
  • 地盤沈下・地すべりリスクの有無(地盤調査結果の確認)
  • 仮設住宅の移転に伴う需給変化の有無
  • 復興まちづくり計画での用途変更予定

石川県「いしかわ住宅相談・住情報ネットワーク」が被災住宅の建替え・修繕・技術相談を受け付けています(七尾市・輪島市・珠洲市等で累計2,259件以上の相談実績・2025年時点)。

空き家活用の可能性

石川県全体の空き家率は15.6%(2023年時点、86,400戸)と全国平均(13.84%)を上回っています。(出典: 令和5年住宅・土地統計調査 石川県分)各市町では空き家バンクを運営しており、低価格での取得チャンスがありますが、耐震・改修コストの事前見積もりが必要です。


よくある質問

Q: 金沢市の土地価格はこれからも上がり続けますか?

2026年公示地価で4年連続上昇、都市再生緊急整備地域の指定(2025年7月)による再開発加速が短期的な需要を支えています。ただし金利動向・人口減少・観光需要の変動など複合的な要因があり、将来予測は宅地建物取引士・不動産鑑定士へのご相談をお勧めします。

Q: 能登エリアの土地は今後どうなりますか?

復興公営住宅の整備が進む地区では民間の宅地需給が変化している可能性があります。「復興まちづくり計画」が各市町で策定中(2025年度内公表予定)で、計画内容によって特定地区の用途変更が生じる場合があります。物件検討前に地元市役所・町役場への確認をお勧めします。

Q: 野々市市は金沢市より土地が安いですか?

過去数年の平均的な水準では金沢市(宅地のみ中央値8〜9万円/m²台)に対して野々市市は7〜10万円/m²台で推移しており、エリアによっては大差のない価格帯となっています。特にJR野々市駅周辺の住宅地は金沢市内住宅地と同等水準の場合があります。

Q: 白山市松任駅周辺と金沢市西部ではどちらが安いですか?

2026Q1の取引中央値では金沢市8.5万円/m²に対し白山市5.2万円/m²と差があります。ただし白山市はP75が7.9万円/m²と金沢市P25(7.0万円/m²)と近い水準で、物件の立地・グレードによっては重複する価格帯となっています。


データの見方と限界

本記事で示す統計は「取引中央値」であり、実勢価格の分布の中央を示すものです。同じ市区町村内でも、駅からの距離・土地形状・前面道路幅員・ハザード指定・用途地域・地目などにより、P25(下位25%)からP75(上位75%)の範囲で大きく異なります。

特に注意すべき点として:

  • サンプル数が少ない市区町村(n<10): 1〜2件の取引が中央値を大きく動かします。珠洲市・穴水町・各郡部では特に注意が必要です。
  • 能登半島地震後のデータ(2024年〜): 復興目的・解体前提の特殊取引が含まれる可能性があり、通常の市場価格として解釈すべきでない場合があります。
  • 宅地(土地と建物): 建物の築年数・残存価値が単価に大きく影響するため、土地のみのデータとは別に解釈する必要があります。
  • 季節性: Q1(1〜3月)は年度末取引ラッシュ期でありQ4(10〜12月)と構成が異なる場合があります。

まとめ

石川県の土地価格は、金沢市(宅地のみ中央値8.5万円/m²・2026Q1)を頂点に、野々市市・白山市・河北郡が続く加賀地域の住宅ベルトを形成しています。その外縁に小松市・能美市(2〜3万円/m²台)、さらに加賀市(〜1万円/m²台)、そして能登地域(0.1〜1.2万円/m²)という価格の序列が続いており、加賀〜奥能登の距離的・地形的な違いが価格に直接的に反映されています。

2026年の主要な動き:

  • 金沢市は4年連続地価上昇(+2.86%)。都市再生緊急整備地域の指定(2025年7月)で中心市街地の再開発が加速
  • 北陸新幹線延伸効果(2024年3月)が商業地・観光地価格を継続的に押し上げ
  • 能登地域は2024年能登半島地震の影響が継続。復興公営住宅整備・まちづくり計画が進行中
  • 石川県の空き家率は15.6%と全国平均を上回る水準。空き家活用相談窓口が整備されている

土地の購入・売却を検討されている方は、本記事の統計データを出発点として活用しつつ、必ず地元の宅地建物取引士への相談と現地確認を行うようにしてください。


出典・参考情報

本記事は参考情報です。実際の取引判断は宅地建物取引士にご相談ください。